【日本で暮らすベトナム人向け】遺言書の種類とおすすめの作成方法


将来のことを考えると、「自分が亡くなった後、家族や大切な人たちに迷惑をかけたくない」と思う方も多いでしょう。そのために有効なのが**遺言書(いごんしょ)**です。

この記事では、日本の法律で認められている遺言書の種類と、それぞれの特徴・メリット・デメリットをわかりやすく解説します。最終的にどの形式がおすすめかもご紹介します。


【1】遺言書の種類は大きく分けて2種類

分類遺言の種類
普通方式自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言
特別方式危急時遺言(病気などで死が間近な場合など)、隔絶地遺言(船の中や戦争など特殊状況)

【2】普通方式の遺言書とその比較

遺言の種類作成方法保管家庭裁判所の検認メリットデメリット
自筆証書遺言全文を自分で手書き自分で保管 or 法務局で保管可能必要(ただし法務局保管なら不要)自分だけで作れる・費用が安い紛失・偽造のリスク、形式不備で無効になることも
公正証書遺言公証役場で公証人と証人2人の前で作成公証役場が保管不要法的に確実、紛失・偽造の心配なし費用がかかる、証人が必要
秘密証書遺言内容は秘密にし、封印して公証役場で証明自分で保管必要内容が秘密にできる内容に不備があっても気づかれにくい、手続きが複雑

【3】特別方式の遺言書とは?

特別な状況(例:病気で死が間近、船に乗っているときなど)に限定して作成できる緊急時の遺言です。あくまで一時的・例外的な方法で、状況が落ち着いたら普通方式で改めて作成することが推奨されます。


【4】公正証書遺言の費用はどのくらい?

公正証書遺言の作成には、財産額に応じた手数料がかかります。例えば、1,000万円の財産を対象とする場合は、約2~3万円前後の費用が目安です。加えて、**証人2人への謝礼(5,000円~1万円程度)**が必要になる場合もあります。


【5】こんな失敗例に注意!

自筆証書遺言を作成した人の中には、「日付がなかった」「印鑑がなかった」などの形式的なミスで無効になった例もあります。せっかく残した遺言が使えなかった…という事態を避けるためにも、形式が整った方法を選びましょう。


【6】ベトナム人に多いご相談とは?

たとえば、日本に家を購入した後、「この家をベトナムの家族に相続させたい」というご相談があります。また、「離婚歴があるが、再婚後の家族との関係をどう整理すべきか」といったご相談も少なくありません。状況に応じた内容で遺言を作成することが重要です。


【7】専門家に相談するメリット

行政書士や弁護士などの専門家に相談すれば、ご自身の状況に合った適切な遺言書を作成する手助けをしてもらえます。とくに言語面や法律への理解が不安な外国人の方には、専門家のサポートが安心につながります。


【8】結論:おすすめは「公正証書遺言」

公正証書遺言は、公証役場で作成し、公証人が関与しているため内容の信頼性が非常に高く、安全性も確保されます。また、家庭裁判所の検認が不要で、死後すぐに手続きに進むことができます。

多少費用はかかりますが、トラブルを未然に防ぐためにも、将来の安心のためにも公正証書遺言が最もおすすめです。